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【第2章】第3節 幹線設備・配線設備・弱電設備①

1.幹線設備

幹線設備は人間の体に例えれば心臓(電気室)を起点として体の隅々(建物の主要部分)まで血液を送る動脈(幹線)の役割に相当します。

電気室・キュービクルの低圧配電盤から低圧幹線として使用容量に適合した幹線が敷設されます。ビルなどでこの幹線が敷設される場合、主に階層間の竪穴をEPS(Electric Pipe Shаft又はElectric Pipe Space)と呼びます。当然使用する電力量が多いと大きな設備が必要であり、また、電気だけでなくガス専用などの専用シャフトを設けられる場合もあります。

EPS内を施工するケーブルを配管内に入れたり、ケーブルラックを使用したりします。電気専用EPSは関係者以外が入室出来ない為、ケーブル露出で施工されることもあります。垂直のケーブル支持は6メートル以内に1か所と定められている為、確実な施工を求められます。


【 EPS内施工例 】 

感電による死亡災害者数の状況(厚生労働省公表データより)

幹線ケーブルの施工については、上図の様に電気専用シャフト内のケーブルラック敷設、あるいは二重天井内ケーブルハンガーによる施工、金属配管内挿入施工等電気使用に求められる諸条件によって施工方法が変わります。いずれも電気工事に係る全ての法規に則って敷設されています。


2.配線設備

配線設備は大別して、屋内配線・屋外配線・屋側配線・架空配線・地中配線・使用電圧60V以下の配線設備などが有り、主な配線工事としては、碍子引き・金属管・合成樹脂管・金属可とう電線管・金属線ぴ(メタルモール)・フロアーダクト・セルラダクト・金属ダクト・ライティングダクト・バスダクト・床面平型保護・コンクリート直天井面平型保護・壁側面平型保護・コンクリート直埋設・鉛被覆アルミケーブル・キャブタイヤ・MIケーブルなどがあります。

また、これらの各項目を施工するにあたって下記の表の様に規定があります。


内線規程(対応電技省令:第56・57条)

配線方法 施設の可否(300V)
屋  内 屋外・屋側
露出場所 いんぺい場所
点検可 点検不可
金属管 乾燥湿気水気 乾燥湿気水気 乾燥湿気水気 雨線内 雨線外
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇  〇
合成樹脂 CD Δ Δ Δ Δ Δ Δ Δ Δ Δ Δ  Δ
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇  〇
ケーブル配線 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇  〇
キャブタイヤケーブル配線 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × × × ◇  ◇

【備考】〇・×・△・◇ は、下記の通りとする。

 〇 : 施設出来る

 × : 施設できない

 △ : 直接コンクリートに埋め込んで施設する場合を除き、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクト内に収めた場合に限り、施設することが出来る。

 ◇ : 露出場所及び点検できる隠ぺい場所に限り、施設することが出来る。

表に示す施設工事の各使用材料については、例えば電線は形状・許容電流、開閉器・ヒューズについては遮断容量等、各規定で定められた事項を厳守しなければなりません。


これらの配線設備施工方法については「内線規程」「電気設備技術基準」「電気事業法」等、関連法令に定める事項を厳守すること、及び電気工事士資格、低圧電気取り扱い特別教育実施の確認も重要となります。


 

 

 

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