【第2章】第3節 幹線設備・配線設備・弱電設備②
3.弱電設備
電力系統を人間の血液に例えるなら弱電設備は神経系と言えます。主として情報通信に係る業務、テレビ、ラジオ、インターホン、自動火災報知、非常放送、有線電話、無線通信、ステレオ、コンピューター等、一般分野から防災分野まで非常に広く使用されています。電圧・電流で言えば12V~50Vで直流を使用している分野です。
建物内での弱電設備の一例として「電話設備」「構内放送設備」「自動火災報知設備」を取り上げます。
:電話設備は特に企業施設の中では使用される台数も多く、内部相互で話せる必要が有ります。電話機1台1台が交換機を経由せず構内に主装置(PBX)を設け対応します。外部との通話、構内相互通話、受話器でスピ―カ―機能(ページング)としての電話自体からの音声で呼び出し・スピーカー設備を併用しての呼び出し等、伝達・放送を行うシステムも有ります。
構内放送は、施設や建物内で呼び出し放送や始業終業等知らせる為の設備であり、終日BGMを流す為にも使われます。館内放送や拡声設備、放送設備とも呼ばれ、学校で使用している校内放送も構内放送の一種です。構内放送設備の中には火災時に在館者を避難誘導する為の「非常用放送設備」もあります。
消防法の規定により、一定規模の建物、一定の人数以上を収容するホテルや複合ビル、地下街等には非常用放送設備を設置する事が義務付けられています。一般的には、非常用放送設備の設置が義務付けられている建物では、通常時、火災時のどちらでも使える「非常用・業務用兼用放送設備」が設置されています。
自動火災報知機は、煙や熱を感知して警報を発報し、いち早く火災の発生を知らせる「自動火災報知設備」です。一般的に別な呼び方として「自火報設備」「自火報」等と呼ばれています。消防法により一定の規模以上の建物には自動火災報知設備を設置することが義務づけられています。ここで使用する設備機器は設置義務条件の中で、建物に応じた機器材料を使用し設置します。この設備は電気による伝達信号の中でも最も重要な設備の一つです。近年この設備の設置義務等を指摘されているにも関わらず、未設置等消防法違反の建物が多く見受けられ、中には火災発生の際機能しなかったため尊い人命が失われている例もあります。人命最優先とした設備なので、新規の設置・増設等の際には消防法に基づき検査を受け合格をしなければなりません。
また、所轄の消防署は、建物規模や用途により規制されている事が守られているか、定期的に検査を行っています。
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