労災保険の基礎知識 – 具体的な補償内容
労災保険による補償は、保険給付と社会復帰促進等事業に大別できます。
保険給付
給付の種類、支給事由、給付内容は以下の通りです。
給付の名称は業務災害と通勤災害で異なり、業務災害では「補償」の用語が付きます。
いくつかの保険給付では特別支給金が上乗せされます。
例えば、休業[補償]給付の支給事由に該当する場合、社会復帰促進等事業から休業特別支給金も支給されます。つまり、休業[補償]給付から給付基礎日額の6割、休業特別支給金から2割、合わせて約8割相当の補償が行われます。
社会復帰促進等事業
社会復帰促進事業、援護事業、安全衛生・労働条件等の確保事業が、社会復帰促進等事業の3本柱です。
社会復帰促進事業
被災労働者の社会復帰を促進するための事業
労災病院の設置、義肢等の支給、傷病治ゆ後のアフターケアなど
援護事業
被災労働者やその遺族の生活を援護するための事業
所定の保険給付に上乗せされる特別支給金(表2)の支給、被災労働者の子や遺族の就学等援護費の支給、年金担保資金の貸付けなど
安全衛生・労働条件等の確保事業
労働者の安全衛生や適切な労働条件等を確保するための事業
労働災害防止対策の実施、健康診断センターの設置・運営、未払賃金の立替払事業など
表2 特別支給金の内容
支給金の種類 | 支給事由 | 支給金の内容 |
---|---|---|
休業特別支給金 | 休業[補償]給付に同じ | 給付基礎日額の2割 |
傷病特別支給金 | 傷病[補償]年金に同じ | 傷病等級に応じて114~100万円 |
傷病特別年金 | 傷病[補償]年金に同じ | 傷病等級に応じて算定基礎日額の313~245日分 |
障害特別支給金 | 障害[補償]給付に同じ | 障害等級に応じて342~8万円 |
障害特別年金 | 障害[補償]給付に同じ | 障害等級に応じて算定基礎日額の313~131日分 |
障害特別一時金 | 障害[補償]一時金に同じ | 障害等級に応じて算定基礎日額の503~56日分 |
遺族特別支給金 | 遺族[補償]給付に同じ | 一律300万円 |
遺族特別年金 | 遺族[補償]年金に同じ | 遺族の数や状況に応じて算定基礎日額の153~245日分 |
遺族特別一時金 | 遺族[補償]一時金に同じ | 算定基礎日額の1,000日分 |
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