【第4章】1-2 呼吸用保護具の使用方法及び管理③
1-2-4 防じんマスクの保守管理上の留意事項
防じんマスクの保守管理に当たっては、次の事項に留意します。
(1)予備の防じんマスク、ろ過材その他の部品を常時備え付け、適時交換して使用できるようにすること。
(2)防じんマスクを常に有効かつ清潔に保持するため、使用後は粉じん等及び湿気の少ない場所で、吸気弁、面体、排気弁、しめひも等の破損、亀裂、変形等の状況及びろ過材の固定不良、破損等の状況を点検するとともに、防じんマスクの各部について次の方法により手入れを行うこと。ただし、取扱説明書等に特別な手入れ方法が記載されている場合は、その方法に従うこと。
ア 吸気弁、面体、排気弁、しめひも等については、乾燥した布片又は軽く水で湿らせた布片で、付着した粉じん、汗等を取り除くこと。
また、汚れの著しいときは、ろ過材を取り外した上で面体を中性洗剤等により水洗すること。
イ ろ過材については、よく乾燥させ、ろ過材上に付着した粉じん等が飛散しない程度に軽くたたいて粉じん等を払い落すこと。
ただし、ひ素、クロム等の有害性が高い粉じん等に対して使用したろ過材については、1回使用するごとに廃棄すること。
なお、ろ過材上に付着した粉じん等を圧搾空気等で吹き飛ばしたり、ろ過材を強くたたくなどの方法によるろ過材の手入れは、ろ過材を破損させるほか、粉じん等を再飛散させることとなるので行わないこと。
また、ろ過材には水洗して再使用できるものと、水洗すると性能が低下したり破損したりするものがあるので、取扱説明書等の記載内容を確認し、水洗が可能な旨の記載のあるもの以外は水洗してはならないこと。
ウ 取扱説明書等に記載されている防じんマスクの性能は、ろ過材が新品の場合のものであり、一度使用したろ過材を手入れして再使用(水洗して再使用することを含む。)する場合は、新品時より粒子捕集効率が低下していないこと及び吸気抵抗が上昇していないことを確認して使用すること。
(3)次のいずれかに該当する場合には、防じんマスクの部品を交換し、又は防じんマスクを廃棄すること。
ア ろ過材について、破損した場合、穴が開いた場合又は著しい変形を生じた場合
イ 吸気弁、面体、排気弁等について、破損、亀裂若しくは著しい変形を生じた場合又は粘着性が認められた場合
ウ しめひもについて、破損した場合又は弾性が失われ、伸縮不良の状態が認められた場合
エ 使い捨て式防じんマスクにあっては、使用限度時間に達した場合又は使用限度時間内であっても、作業に支障をきたすような息苦しさを感じたり著しい型くずれを生じた場合
(4)点検後、直射日光の当たらない、湿気の少ない清潔な場所に専用の保管場所を設け、管理状況が容易に確認できるように保管すること。なお、保管に当たっては、積み重ね、折り曲げ等により面体、連結管、しめひも等について、亀裂、変形等の異常を生じないようにすること。
(5)使用済みのろ過材及び使い捨て式防じんマスクは、付着した粉じん等が再飛散しないように容器又は袋に詰めた状態で廃棄すること。
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