【第2章】2 労働安全衛生マネジメントシステム①
2-1 安全管理者の職務と労働安全衛生マネジメントシステム
マネジメントシステムは組織・集団が目的を達するために必要なことがらをパッケージ化(システム化)したもので、よく知られているものとして品質マネジメントシステム(ISO9001)や環境マネジメントシステム(ISO14001)があります。
なお、ISOの用語定義によると、マネジメントシステムは「方針、目標及びその目標を達成するためのプロセスを確立するための、相互に関連する又は相互に作用する、組織の一連の要素」となっています。
平成30(2018)年3月、国際標準化機構(ISO)によって労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)が発行されましたが、この項では主に厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」の内容を基にしています。
【労働安全衛生規則】
(総括安全衛生管理者が統括管理する業務)
第三条の二 法第十条第一項第五号の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとする。
一 安全衛生に関する方針の表明に関すること。
二 法第二十八条の二第一項又は第五十七条の三第一項及び第二項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること。
三 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。
上掲の安衛則第3条の2による「安全衛生に関する方針の表明に関すること」及び「安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること」も安全管理者の職務です。
安全衛生に関する「方針の表明」、「計画の作成」、「実施」、「評価」及び「改善」を通して、事業場の安全衛生水準の向上を図るという目的がありますが、より詳細な内容や具体的な方法を示したものが労働安全衛生マネジメントシステムです。
労働安全衛生マネジメントシステム自体は法令で実施義務が定められているわけではありませんが、上記の職務を遂行する上では非常に参考になります。
2-2 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の概要 1)
※ OSHMS:Occupational Safety and Health Management System
(※ 以下は「労働安全衛生マネジメントシステムに関する 指針」より引用)
1) 目的
指針
(目的)
第一条 この指針は、事業者が労働者の協力の下に一連の過程を定めて継続的に行う自主的な安全衛生活動を促進することにより、労働災害の防止を図るとともに、労働者の健康の増進及び快適な職場環境の形成の促進を図り、もって事業場における安全衛生の水準の向上に資することを目的とする。
労働安全衛生マネジメントシステムは、法令や各種の自主的な活動を組織的かつ体系的に運用管理するための仕組みです。
また、その目的は当然労働安全衛生法第1条の目的と合致しています。
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