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【第1章】5 労働災害の原因の調査と再発防止対策②

5-2 原因調査の方法及び再発防止対策

1)災害調査の目的

まず、調査の目的を確認しておきましょう。ややもすると犯人捜しになりかねませんので、あくまで再発防止や類似災害の発生を未然に防ぐことが目的だということを、関係者にも理解してもらい、協力を得るようにします。

災害調査の目的

2) 事実の確認

被災者、目撃者、付近にいた労働者などから、災害・事故の発生状況を聞き取り、災害と関係すると思われるすべての事実を人・物・管理・作業の経過などの面から客観的に明らかにし、災害調査票など所定の用紙に記録します。


3) 問題点の抽出

本来あるべき姿・基準と照らし合わせて、基準から外れている事実があれば問題点とし、記録します。


4) 根本的問題点の決定

把握された問題点のうち、どれが直接かつ重大な問題点かを検討し、これを根本的問題点とします。(一つとは限りません)


5) 再発防止対策の検討

災害調査票などに基づき、安全担当部門や被災者の所属監督者などと協議して再発防止策を立案し、事業場のトップの承認を得ます。なお、問題点については影響の大きいものから優先順位を決め、対策を立てるようにします。5W1Hを基本に、内容を明確にしておくことが重要です。


6) 対策の実施

5)で立案された計画を基に、機械設備の改善や安全作業手順、安全教育の実施などの再発防止対策を実施します。


7) 対策の評価

実施された再発防止対策の効果について、現場の安全衛生パトロールなどにより観察・聴取を行い、設備の改善や新たな手順が標準化され、作業に定着しているか評価を行うことも重要な取り組みです。問題があれば再度問題点を洗い出し、改善していきます。


 「事故」 と 「災害」 

労働安全の分野では「事故」と「災害」を使い分けています。


「事故」・・・物事(機械設備や人の行動)が基準から外れ、実際に被害(損害)を生じる事象が発生すること(狭義ではこのうち「災害」を除いたもの)

「災害」・・・「事故」のうち被害が人の身体に及んだ場合

災害調査票の例

 

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