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文書交付(SDS):労働安全衛生法における有害物質情報等の文書交付義務

労働安全衛生法では、政令で定める有害物質を譲渡、提供する者は、名称、成分及び含有量、物理的・化学的性質、人体に及ぼす作用、貯蔵又は取扱い上の注意及び流出事故の措置等について、文書交付により相手方に通知しなければならないと規定されています。

労働安全衛生法(抄)
(文書の交付等)
第五十七条の二 労働者に危険若しくは健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は第五十六条第一項の物を譲渡し、又は提供する者は、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により通知対象物に関する次の事項を、譲渡し、又は提供する相手方に通知しなければならない。ただし、主として一般消費者の生活の用に供される製品として通知対象物を譲渡し、又は提供する場合については、この限りでない。

一 名称
二 成分及びその含有量
三 物理的及び化学的性質
四 人体に及ぼす作用
五 貯蔵又は取扱い上の注意
六 流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置
七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

SDSに記載されている事項

GHSでは、次の16項目の情報を記載することになっています。また、SDS作成については、「GHS附属書4」や「JIS Z 7253:GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」に、その作成の手引きが記述されています。

1. 物質または混合物および会社情報
2. 危険有害性の要約
3. 組成および成分情報
4. 応急措置
5. 火災時の措置
6. 漏出時の措置
7. 取扱いおよび保管上の注意
8. ばく露防止および保護措置
9. 物理的および化学的性質
10. 安定性および反応性
11. 有害性情報
12. 環境影響情報
13. 廃棄上の注意
14. 輸送上の注意
15. 適用法令
16. その他の情報

参考:化管法・安衛法におけるラベル表示、SDS提供制度
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/130813-01-all.pdf

参考:化管法SDS標準的な書式(JIS Z7253対応版)
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/msds62.html

労働安全衛生法における表示・文書交付の対象となる物質

前述したように政令で定める有害物質等は表示・文書の交付義務があります。また、政令で定める有害物質以外の有害物質についても、表示および文書交付の努力義務があります。

1. 表示・文書公布義務の対象物質
(1)製造許可の対象物質(7物質)
(2)労働安全衛生法施行令で定める表示義務対象物質(663物質)
(3)上記物質を一定量以上含有する混合物

2. 表示・文書交付の努力義務の対象となる物質
平成24年4月1日施行の改正労働安全衛生規則により、上記の表示義務又は文書交付義務の対象物質以外であっても、表示及び文書交付の努力義務が規定されました。また、リスクアセスメントについても指針により同様の努力義務が規定されています。

従って化学物質を取り扱う事業者は、そのすべてについて表示および文書の交付を受け、それらの情報を基にリスクアセスメントを実施する必要があると言えます。

参考:GHS対応モデルラベル・モデルSDS情報一覧表
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/GHS_MSD_LST2.aspx

 

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