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化学物質関連の労働法規とSDS

情報の通知~SDS

労働安全衛生法第57条の2(文書の交付等)により、一定の化学物質(平成29年4月1日現在670物質とその混合物)を譲渡し又は提供する者は、名称や成分・人体に及ぼす作用などの情報を相手方に通知しなければならないとされており、この通知にSDSが使用されます。

表示

上記の通知対象となる化学物質に対しては、労働安全衛生法第57条による表示も義務付けられています。職場で化学物質を取り扱う際に、担当の労働者がその危険有害性や適切な取り扱い方法等を知らなかったことで、爆発や中毒等の労働災害が発生しており、そういった危険を回避するための制度です。
他にもSDSの掲示も有効な手段ですが、表示義務により指定されている項目はSDSの各種情報のうち、実際に取扱う労働者が知っておくべき必要最低限の事項にまとめられており、よりわかりやすい仕様となっています。

リスクアセスメント

また、表示や通知対象と定められている化学物質を取り扱うすべての事業者に、労働安全衛生法第57条の3による危険性又は有害性に関する調査が義務付けられ、また、調査の結果による必要な対策(措置)の実施も努力義務とされています。

★注意!

法規制の対象となる化学物質はたくさんありますが、例えば厚生労働省が公表している6万種類余りと比べると、少ない感じもします。

確かに非常に産業界での使用例が少なく法規制になじまないものや、有害性の程度が低いと判断されている物質も数多くあるようですが、指定されていない物質がすべて危険有害性が低いという意味ではないことに注意が必要です。 規制対象物質は「国内外の学会等において、人への健康影響が確認されている物質」の一部ですが、指定外の物質には「まだ人への健康影響が確認されていない物質」、つまり「情報が不十分な物質」や「有害性は認識されているが管理基準がはっきりしていないもの」なども含まれていること知っておく必要があります。

従って、上記の法指定以外の化学物質であっても、取扱う際にはSDSなど情報の入手や表示確認、リスクアセスメントの実施を必ず行うようにしましょう。
(指定物質以外の物質について、法的には「努力義務」とされています。)

※1-「化学物質」の定義は法律により若干の相違があります。

・労働安全衛生法第2条第3号の2 ➡ 「元素及び化合物をいう」

・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 ➡ 「元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう」

※2‐「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:GHS)は2003年7月に国連勧告として採択されたものです。

なお、今後も追加指定などで対象物質が増加する事が予測されますので、各事業者は厚労省HP等で情報入手に努める必要があります。

参考 関連サイト

厚生労働省 「職場における化学物質対策について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei03.html

 

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