酸素欠乏症とは
酸素欠乏空気の吸入により生じる疾病。
通常の空気の組成は酸素が約21%を占めるが、酸素濃度が18%未満の空気を酸素欠乏空気と呼ぶ。
酸素欠乏空気を吸入すると、まず酸素消費量の最も多い大脳新皮質に機能低下が生じる。
症状は個人差が大きく、健康状態によっても異なるが、一般的には16%くらいから自覚症状が現れ、低濃度になるほど症状は重い。
軽症例では、頻脈、精神障害、血圧上昇、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる)等、重症例では、意識不明、けいれん、血圧下降等がみられる。
酸素濃度6%以下の空気を吸入した場合は、一瞬のうちに意識を失って失神・昏倒、呼吸停止、心臓停止、死亡といった致命的な症状となる。
酸素濃度低下の危険がある場所は、換気の悪い場所(マンホール、発酵タンク、穀物サイロ、井戸、基礎坑、トンネル等)や密閉された鉄の構造物の内部(船倉タンク、ボイラー等)などである。
労働安全衛生法施行令には「酸素欠乏危険場所」が定められており(別表第6)、事業者はこれらの場所での作業に係る業務に労働者を就かせるとき、当該労働者に特別教育を行わなければならない。
なお、酸素欠乏症等予防規則等で「酸素欠乏症等」と表現される場合、酸素欠乏症又は硫化水素中毒を指す。
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