【11】転倒災害防止のための具体例
(1)床にこぼれた水や油で滑って
床にこぼれた水や油脂で滑って転倒する場合があります。床には、常に水や油などがこぼれていないように心掛けるようにしましょう。また、水や油脂のたまりやすい場所には、吸湿性のあるマットを敷きましょう。
不意にこぼしてしまった水等があれば、自らこれを取り除くことも必要です。清掃業者任せにするなどを理由にして、こぼれた水等をそのまま放置することは、後で通行の際に労働者が転倒し、骨折等の負傷をしてしまう可能性があると考えて対処しましょう。
(2)床上に露出したコード、材料等につまずいて
床上に露出した電気器具等のコードや材料等につまずいて転倒する場合があります。
このような場合の対策は、通行の際につまずかないように、コード類は、通路や作業する場所を横断させないことが必要ですが、コード類がどうしても横断する場合は、コード類を床に埋め込む、あるいはスロープ状のカバーでコード類を覆うなどの対策が必要です。
また、カバーなどのはがれがないか、通路については定期的に点検をしましょう。
(3)階段等から足を踏み外して
階段等から足を踏み外して転落する場合があります。この場合、多くは骨折など重篤な災害につながります。階段等での転落災害を防止するため、
- 滑り止めを設けているか
- 勾配は急すぎないか
- 手すりを設けているか を確認し
- 必ず手すりを持って階段の昇降を行うことを徹底する。
- 片手は必ず空けておくようにする。
- 照明は段差などが見やすい明るさを確保しているか、
また照明の位置は適切かなどを点検しましょう。
(4)凍結した路面ですべって
冬になると、凍結した路面での転倒が多発します。特に、気温が零度前後になる早朝に頻発します。駐車場から職場の入口までの短い距離を歩行中に、凍結した路面で転倒して骨折などの重傷を負うケースもあります。
凍結した路面でのすべりを防止するためには、通路や作業場所等の凍結しやすい(している)場所を適確に把握した上で適切な措置を講じることが必要です。
- 凍結路面に凍結防止用の砂などを撒く。
- 通路や出入口等で凍結しやすい場所は、凍結防止機能付のマット等を敷く。
- 凍結している路面は、大変滑りやすいため、履物は摩擦係数の高い
ゴム長靴等を着用、または、すべり対策用の靴を装着する。 - 履物は、滑り止め材入り、ピン・金具付き・溝の深いもの等滑り難いものを
着用しましょう。 - 凍結している場所を歩行する際は、小さな歩幅で、靴の裏全体をつけ、
時間に余裕を持って「急がず、ゆっくり」行動する。 - 手をポケットに入れたり、荷物などで両手がふさがっている時は、
反射により身体を守れないため、手袋の着用、両手をふさがない
工夫・作業方法の選択をしましょう。 - 凍結が予想される早朝に、管理者はメールなどで労働者へ出勤時の
すべりによる転倒予防の注意喚起を行う。
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