【第1章】第7節 接地
1.接地の種類
接地はアースとも呼ばれています。アースは文字通りの意味は地球のことです。アース(接地)をするとは、地球と接続するという意味になります。
一般の電気使用機器や電気設備も故障や経年劣化、自然災害等で漏電や充電部が露出されることがあり、そこに人が触れると感電する場合があります。また、産業電気設備においては、故障などにより停電、設備破壊や火災という最悪な結果となることもあります。
こういう悪い結果とならないために事前に接地工事を施しますが、接地にはその目的から次の様な種類が有ります。
①機能接地~機器のノイズ(雑音)防止や安定動作を施す為の接地
②機器用接地~人などへの感電防止、漏電による火災防止、漏電遮断器を確実に動作させる等の目的で電気機器の外箱等に施す接地
③系統接地~変圧器内部の混触事故等により、低圧電気回路側への高い電圧の侵入を防止する目的で、電路の中性線又は1線に(変圧器の2次側のB種接地)施すもの
2.接地工事の種類
接地工事の種類と接地抵抗値・接地個所・接地線
接地工事の種類 | 接地抵抗値 | 接地箇所 | 接地線の種類 |
---|---|---|---|
A 種 | 10Ω以下 | 高圧又は特別高圧用の機器の外箱又は鉄台 | 直径2.6mm以上の軟導線 |
B 種 | 150(又は300もしくは600)/ⅠΩ以下 | 高圧用又は特別高圧と低圧を結合する変圧器の中性点 | 直径4mm以上の軟導線 |
C 種 | 10Ω以下 | 300Vを超える低圧用機器の外箱又は鉄台 | 直径1.6mm以上の軟導線 |
D 種 | 100Ω以下 | 300V以下の低圧用機器の外箱又は鉄台 | 直径1.6mm以上の軟導線 |
※B種接地工事の接地抵抗値中の「I」は一線地絡電流(変圧器の高圧と低圧が混触したとき、B種接地工事の接地線に流れる電流)。
3.接地工事の方法
容易に識別できるようにするため、接地線は一般的に「緑色」(又は「黄色と緑」)とし、ビニル被覆で直径1.6mm以上の絶縁電線を使用します。
なお、可搬型の電動工具等移動して使う電気器具では、付属するコードやキャブタイヤケーブル等の心線のうち、緑色被覆の接地端子を差し込みプラグからコンセントの接地用の極を経て接地します。
左の図の場合、アース線が接続されていても人体に流れる電流がゼロにはなりません。また、いつから漏電が始まるかは誰にもわかりません。
しかし、右の図のようにアース線に加え漏電ブレーカーが取り付けてあれば、電気が漏れた瞬間に検知し回路を遮断してくれます。
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