【第5章】5.粉じん障害防止規則(抄)①
5.粉じん障害防止規則(抄) 第1条~第4条
(事業者の責務)
第1条
事業者は、粉じんにさらされる労働者の健康障害を防止するため、設備、作業工程又は作業方法の改善、作業環境の整備等必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
② 事業者は、じん肺法(昭和三十五年法律第三十号)及びこれに基づく命令並びに労働安全衛生法(以下「法」という。)に基づく他の命令の規定によるほか、粉じんにさらされる労働者の健康障害を防止するため、健康診断の実施、就業場所の変更、作業の転換、作業時間の短縮その他健康管理のための適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
(定義等)
第2条
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 粉じん作業 別表第一に掲げる作業のいずれかに該当するものをいう。ただし、当該作業場における粉じんの発散の程度及び作業の工程その他からみて、この省令に規定する措置を講ずる必要がないと当該作業場の属する事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄都道府県労働局長」という。)が認定した作業を除く。
二 特定粉じん発生源 別表第二に掲げる箇所をいう。
三 特定粉じん作業 粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるものをいう。
第2項~第6項 略
【別表第一】粉じん作業
一 鉱物等(湿潤な土石を除く。)を掘削する場所における作業(次号に掲げる作業を除く。)。ただし、次に掲げる作業を除く。
イ 坑外の、鉱物等を湿式により試錐(すい)する場所における作業
ロ 屋外の、鉱物等を動力又は発破によらないで掘削する場所における作業
一の二 ずい道等の内部の、ずい道等の建設の作業のうち、鉱物等を掘削する場所における作業
二 鉱物等(湿潤なものを除く。)を積載した車の荷台を覆し、又は傾けることにより鉱物等(湿潤なものを除く。)を積み卸す場所における作業(次号、第三号の二、第九号又は第十八号に掲げる作業を除く。)
三 坑内の、鉱物等を破砕し、粉砕し、ふるい分け、積み込み、又は積み卸す場所における作業(次号に掲げる作業を除く。)。ただし、次に掲げる作業を除く。
イ 湿潤な鉱物等を積み込み、又は積み卸す場所における作業
ロ 水の中で破砕し、粉砕し、又はふるい分ける場所における作業
三の二 ずい道等の内部の、ずい道等の建設の作業のうち、鉱物等を積み込み、又は積み卸す場所における作業
四 坑内において鉱物等(湿潤なものを除く。)を運搬する作業。ただし、鉱物等を積載した車を牽(けん)引する機関車を運転する作業を除く。
五 坑内の、鉱物等(湿潤なものを除く。)を充てんし、又は岩粉を散布する場所における作業(次号に掲げる作業を除く。)
五の二 ずい道等の内部の、ずい道等の建設の作業のうち、コンクリート等を吹き付ける場所における作業
五の三 坑内であつて、第一号から第三号の二まで又は前二号に規定する場所に近接する場所において、粉じんが付着し、又は堆積した機械設備又は電気設備を移設し、撤去し、点検し、又は補修する作業
六 岩石又は鉱物を裁断し、彫り、又は仕上げする場所における作業(第十三号に掲げる作業を除く。)。ただし、火炎を用いて裁断し、又は仕上げする場所における作業を除く。
七 研磨材の吹き付けにより研磨し、又は研磨材を用いて動力により、岩石、鉱物若しくは金属を研磨し、若しくはばり取りし、若しくは金属を裁断する場所における作業(前号に掲げる作業を除く。)
八 鉱物等、炭素原料又はアルミニウムはくを動力により破砕し、粉砕し、又はふるい分ける場所における作業(第三号、第十五号又は第十九号に掲げる作業を除く。)。ただし、水又は油の中で動力により破砕し、粉砕し、又はふるい分ける場所における作業を除く。
九 セメント、フライアツシユ又は粉状の鉱石、炭素原料若しくは炭素製品を乾燥し、袋詰めし、積み込み、又は積み卸す場所における作業(第三号、第三号の二、第十六号又は第十八号に掲げる作業を除く。)
十 粉状のアルミニウム又は酸化チタンを袋詰めする場所における作業
十一 粉状の鉱石又は炭素原料を原料又は材料として使用する物を製造し、又は加工する工程において、粉状の鉱石、炭素原料又はこれらを含む物を混合し、混入し、又は散布する場所における作業(次号から第十四号までに掲げる作業を除く。)
十二 ガラス又はほうろうを製造する工程において、原料を混合する場所における作業又は原料若しくは調合物を溶解炉に投げ入れる作業。ただし、水の中で原料を混合する場所における作業を除く。
十三 陶磁器、耐火物、けい藻土製品又は研磨材を製造する工程において、原料を混合し、若しくは成形し、原料若しくは半製品を乾燥し、半製品を台車に積み込み、若しくは半製品若しくは製品を台車から積み卸し、仕上げし、若しくは荷造りする場所における作業又は窯の内部に立ち入る作業。ただし、次に掲げる作業を除く。
イ 陶磁器を製造する工程において、原料を流し込み成形し、半製品を生仕上げし、又は製品を荷造りする場所における作業
ロ 水の中で原料を混合する場所における作業
十四 炭素製品を製造する工程において、炭素原料を混合し、若しくは成形し、半製品を炉詰めし、又は半製品若しくは製品を炉出しし、若しくは仕上げする場所における作業。ただし、水の中で原料を混合する場所における作業を除く。
十五 砂型を用い鋳物を製造する工程において、砂型を造形し、砂型を壊し、砂落としし、砂を再生し、砂を混練し、又は鋳ばり等を削り取る場所における作業(第七号に掲げる作業を除く。)。ただし、水の中で砂を再生する場所における作業を除く。
十六 鉱物等(湿潤なものを除く。)を運搬する船舶の船倉内で鉱物等(湿潤なものを除く。)をかき落とし、若しくはかき集める作業又はこれらの作業に伴い清掃を行う作業(水洗する等粉じんの飛散しない方法によつて行うものを除く。)
十七 金属その他無機物を製錬し、又は溶融する工程において、土石又は鉱物を開放炉に投げ入れ、焼結し、湯出しし、又は鋳込みする場所における作業。ただし、転炉から湯出しし、又は金型に鋳込みする場所における作業を除く。
十八 粉状の鉱物を燃焼する工程又は金属その他無機物を製錬し、若しくは溶融する工程において、炉、煙道、煙突等に付着し、若しくは堆積した鉱さい又は灰をかき落とし、かき集め、積み込み、積み卸し、又は容器に入れる場所における作業
十九 耐火物を用いて窯、炉等を築造し、若しくは修理し、又は耐火物を用いた窯、炉等を解体し、若しくは破砕する作業
二十 屋内、坑内又はタンク、船舶、管、車両等の内部において、金属を溶断し、又はアークを用いてガウジングする作業
二十の二 金属をアーク溶接する作業
二十一 金属を溶射する場所における作業
二十二 染土の付着した藺(い)草を庫(くら)入れし、庫(くら)出しし、選別調整し、又は製織する場所における作業
二十三 長大ずい道(じん肺法施行規則(昭和三十五年労働省令第六号)別表第二十三号の長大ずい道をいう。別表第三第十七号において同じ。)の内部の、ホツパー車からバラストを取り卸し、又はマルチプルタイタンパーにより道床を突き固める場所における作業
【別表第二】特定粉じん発生源
一 別表第一第一号又は第一号の二に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、坑内の、鉱物等を動力により掘削する箇所
二 別表第一第三号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、鉱物等を動力(手持式動力工具によるものを除く。)により破砕し、粉砕し、又はふるい分ける箇所
三 別表第一第三号又は第三号の二に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、鉱物等をずり積機等車両系建設機械により積み込み、又は積み卸す箇所
四 別表第一第三号又は第三号の二に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、鉱物等をコンベヤー(ポータブルコンベヤーを除く。以下この号において同じ。)へ積み込み、又はコンベヤーから積み卸す箇所(前号に掲げる箇所を除く。)
五 別表第一第六号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、岩石又は鉱物を動力(手持式又は可搬式動力工具によるものを除く。)により裁断し、彫り、又は仕上げする箇所
六 別表第一第六号又は第七号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、研磨材の吹き付けにより、研磨し、又は岩石若しくは鉱物を彫る箇所
七 別表第一第七号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、研磨材を用いて動力(手持式又は可搬式動力工具によるものを除く。)により、岩石、鉱物若しくは金属を研磨し、若しくはばり取りし、又は金属を裁断する箇所
八 別表第一第八号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、鉱物等、炭素原料又はアルミニウムはくを動力(手持式動力工具によるものを除く。)により破砕し、粉砕し、又はふるい分ける箇所
九 別表第一第九号又は第十号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、セメント、フライアツシユ又は粉状の鉱石、炭素原料、炭素製品、アルミニウム若しくは酸化チタンを袋詰めする箇所
十 別表第一第十一号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、粉状の鉱石、炭素原料又はこれらを含む物を混合し、混入し、又は散布する箇所
十一 別表第一第十二号から第十四号までに掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、原料を混合する箇所
十二 別表第一第十三号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、耐火レンガ又はタイルを製造する工程において、屋内の、原料(湿潤なものを除く。)を動力により成形する箇所
十三 別表第一第十三号又は第十四号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、半製品又は製品を動力(手持式動力工具によるものを除く。)により仕上げる箇所
十四 別表第一第十五号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、型ばらし装置を用いて砂型を壊し、若しくは砂落としし、又は動力(手持式動力工具によるものを除く。)により砂を再生し、砂を混練し、若しくは鋳ばり等を削り取る箇所
十五 別表第一第二十一号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、手持式溶射機を用いないで金属を溶射する箇所
(特定粉じん発生源に係る措置)
第4条
事業者は、特定粉じん発生源における粉じんの発散を防止するため、次の表の上欄に掲げる特定粉じん発生源について、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの措置又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
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