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【第2章】2.換気の種類及び概要②

2-2 坑内作業場などの換気

(1)坑内作業場の換気

坑内の換気は通常、風管と呼ばれる布製や塩ビ製の管や鋼管を取り付け,その管とフアンをつないで換気をする「風管換気」が行われています。

換気方法の選定に当たっては,発生した粉じんの効果的な排出・希釈および坑内全域における粉じん濃度の低減に配慮することが必要であり,送気式換気装置,局所換気フアンを有する排気式換気装置,送・排気併用式換気装置,送・排気組合せ式換気装置などの換気装置の使用が望まれます。

また,送気口および吸気口は,有効な換気を行うのに適正な位置に設け,ずい道等建設工事の進捗に応じて,速やかに風管の延長を行います。

さらに,必要に応じて,排気空気については集じん装置による集じんを行います。

なお,風管のかわりに補助坑と呼ばれる坑道を掘って,これを利用して換気を行う「坑道換気」が用いられることもあります。

(2)発生した粉じんを坑外へ排出するには

発生した粉じんの濃度は、新鮮な外気を入れ汚染空気を坑外に排出することにより薄まり、粉じんによる疾病の予防にも役立ちます。

坑内作業以外の粉じん作業においては、粉じんは発生と同時に大気中に拡散しますが、空間が限られる坑内作業では、換気により作業環境の改善を図らなければなりません。ごく短いずい道などでの自然換気は、自然現象を利用するものであり、昼夜・季節等により条件がかなり変動するため、坑内の換気を自然換気のみに頼ることは好ましくありません。あくまでも補助的な手段として考えるべきです。

通常、ずい道工事の換気設備は、換気装置(風管と換気フアン)及び集じん装置により、坑内の換気あるいは集じんが広く行われています。

換気装置による換気方式の選定には、切羽等で発生した粉じんの効果的な排出、希釈に加え、坑内全域における粉じん、排気ガス、発破の後ガスなどを考慮した上で、坑内の空気を強制的に坑外へ排出するのに最も適した換気方法を選定することが必要です。

(3)坑内換気の概要

(1)換気装置及び集じん装置(以下、「換気装置等」という。)による換気の実施等

①換気装置等による換気の実施
坑内の粉じん濃度を減少させるため、次に掲げる事項に留意し、換気装置による換気を行います。
換気装置等は、ずい道等の規模、施工方法、施工条件等を考慮した上で、坑内の空気を強制的に換気するのに最も適した換気方式のものを選定する。
なお、換気方式の選定に当たっては、発生した粉じんの効果的な排出及び希釈に加え、坑内全域における粉じん濃度の低減に配慮することが必要である。
また、より効果的な換気方法である吸引捕集方式及び局所集じん機、伸縮風管、エアカーテン、移動式隔壁等の導入を図る。
送気口(換気装置の送気管又は局所換気フアンによって清浄な空気を坑内に送り込む口のことをいう。)及び吸気口(換気装置の排気管によって坑内の汚染された空気を吸い込む口のことをいう。)は、効果的な位置に設置する。
また、ずい道等建設工事の進捗に応じて速やかに風管を延長する。
換気フアンは、風管の長さ、風管の断面積等を考慮した上で、十分な換気能力を有しているものを選定する。
なお、風量の調整が可能なものが望ましい。
換気装置の送気量及び排気量のバランスが適正であること。

②集じん装置による集じんの実施
坑内の粉じん濃度を減少させるため、次に掲げる事項に留意し、集じん装置による集じんを行う。

ア)集じん装置は、ずい道等の規模等を考慮した上で、十分な処理容量を有し、粉じんを効率よく捕集、かつ、レスピラブル(吸入性)粉じんを含めた粉じんを清浄化する処理能力を有しているものを選定する。

イ)集じん装置は、粉じんの発生源、換気装置の送気口及び吸気口の位置等を考慮し、発散した粉じんを速やかに集じんすることができる位置に設ける。
なお、集じん装置への有効な吸込み気流を作るため、局所換気フアン、隔壁、エアカーテン等を設置することが望ましい。また、局所集じん機の導入を図ること。

ウ)集じん装置にたい積した粉じんを廃棄する場合には、粉じんを発散させないようにする。

 

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