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2.仲間の不調に気づいたら(ラインケア)

(1)職場のメンタルヘルス不全のリスク

自分や職場の仲間がメンタルヘルス不調によって休職、退職してしまうことで、自分やチームの仕事が滞る、残った人の仕事量が増える、人手不足になる、臨時の社員を入れることで、仕事を教えるなど、追加の業務も発生します。

また、一度休職した人が戻る時には、能力や健康への自信を喪失したり、職場での疎外感など、以前と同じように仕事をすることができにくくなる場合もあります。
休職や退職による生活の変化が、離婚など、家庭にも影響するケースもあります。

早めに対処することで、休職や退職などのリスクを未然に防ぐことが大切です。

(2)同僚・仲間の不調に気づいたら

遅刻や突然の休暇が多い、朝から酒臭い、ミスやポカ、失敗が多くなった…など、あの人、いつもと違う?と感じたら

  1. まずは、「最近元気がないね」「調子はどう」と声をかけます。
  2. 本人の話をじっくり聞く。(相手の気持ちになって。相手の立場で。自分の意見は置いておく)
  3. 仕事の分担を調整する必要がある場合や、実際に不調を感じているようなら医師の受診を勧め、本人の了解をとって上司に相談する。

(3)復職の場合の対処

  1. 復職したばかりのときは、様子を見ながら手を貸す(相手の了解なしに仕事を分担するのは自分の居場所が無くなってしまった、と感じることもある)
  2. 当初は復帰支援プログラムにより病院等に通うケースもあるので、早退などがあることを理解する
  3. 良好な職場のコミュニケーションを保つようチーム内で協力して進める

メンタルヘルス不調は、本人が隠しておきたい、と考えることも多いので、過剰に心配せず、いつも通り接することが必要な場合もあります。本人の了解があれば、チーム内で情報を共有して、協力して健やかな職場環境を調えられるようにしたいものです。

(4)メンタルヘルス不調の特徴

ひと口にメンタルヘルス不調、と言っても、うつ、気分障害、記憶障害、依存症、うつ症状などの精神・神経の疾病に限らず、胃・十二指腸潰瘍、本態性高血圧症、過換気症候群、片頭痛、心臓神経症、神経症、自律神経失調症などのストレス関連疾患まで、非常に多岐に渡っています。

強いストレスによって、体調に影響が出る場合、精神に影響が出る場合、特定の器官にいつも影響の出るものなど様々なのです。

  1. うつ

    よく、「がんばれ」と言ってはいけない、と言われますが、うつを発症している人は、その場にいることだけで精一杯がんばっている状態のため、それ以上がんばるということは相手に過剰な無理を強いることになるからなのです。心的エネルギーが極限まで低下して、どうにもならない苦しみの中にあります。これはとても辛いことなのです。相手の様子を見て、うつかな、と思ったら、とにかく無理をさせないことです。

  2. 統合失調症

    幻聴や妄想などで周りとのコミュニケーションが取り難くなることが多いのがこの疾病です。病気のために、他人を信じられなくなっている場合があり、対応する側はこの病気の人に腹を立てたり、疎外したりするケースが見られますが、病気ゆえのことなので理解が必要です。治療によって社会生活に支障がない程度に回復できることも多くなりました。

  3. 神経症

    パニック障害や解離性障害、強迫神経症など様々な種類があります。 抗不安薬などを処方することで、改善することがあります。 1人で抱え込んでしまう傾向の強い人が多いので、症状や病名がわかったら、過度な業務分担を解消することが必要です。 この病気の人は自分でもコントロールできない状態に不安を感じていますから、一定の治療の後も仕事を続けられるときは、サポートを申出るなどして安心して働ける環境を作る配慮をしましょう。

  4. 新型うつ

    現代型うつ、とも言われ「ただの甘えだ、子どもだ」と言われることもあります。ただ、本人は本当に気分が悪くなるなどの症状を抱えています。良き相談相手となり、時には相手を励ます、目に余る態度は諭す、などの大人の対応が必要となります。

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