9.より良いコミュニケーションに役立つ実習 ―傾聴訓練―
メンタルヘスル不調を未然に防ぐためには、部下のちょっとした兆候を見逃さないことが大切でしたね。そのためには、風通しが良くて、コミュニケーションも良い職場づくりが欠かせません。 コミュニケーションの質を高めるために、傾聴訓練をやってみましょう。きっと役立つはずです。
(1)傾聴とは
相手の話に「耳を傾ける」ことによって、相手に話しやすい雰囲気を提供し、相手の考えや気持ちを明確にし、整理しやすくします。
聞き手は、相手が本当に望んでいることや、心の底で感じていることを理解し、必要があれば助言や決断を促します。
(2)傾聴のポイント
- 相手と並んでいる場合は少し相手に体を向ける。表情が見える位置で。
- 目と目の間くらいに視線を置く(相手との距離で工夫)
- まずは、挨拶などでお互いの心理的な距離をつめる。
以下は、傾聴の技術と捉えられがちですが、傾聴の聞き手には、相手への共感がもっとも求められます。相手がそう思っている、考えていることをそのまま感じることを心がける。
①相手の話に相づちを打ったり、うなずく
「はい」や「ええ」など
②相手の話の途中で合いの手をいれる
「なるほど」「そうなんですか」など
③相手の言葉の中で、事柄を表したところを同じ言葉で繰り返す
「お子さんが。」「電車が遅れた。」など
④相手の言葉の中で、感情を表現したところを繰り返す
「焦ったんですね」「なんだか悲しかったんですか。」など
⑤相手が意識しない感情を自分の言葉で表現する
「鍵をどこかに忘れてあちこち探して電話して」「それは慌てたでしょう」
⑥相手の話が一区切りしたら、時々それまでの話をまとめる
「…ということだったんですね」
⑦相手の話であいまいなところ、分かりづらいところを問い返す
「どうお考えですか」「もう少し詳しく説明していただけますか」など
(3)体験してみましょう
複数名以上で実習します。2の倍数以上の場合は、1人はオブザーバーとしてしっかり傾聴のポイントが使えたかどうか、チェックする役目を担います
まずは、傾聴なしで①話手と聞き手を決める
②話手は、最近楽しかったことを相手に話す(2分間)
③聞き手は話を聞かない(横を向いてもよい。声も出さず、表情も作らない)
④どう感じたか、感想を分かち合ってください。(2分間)
次に、傾聴で
①話手と聞き手はそのまま
②話手は、最近腹がたったことを相手に話す(2分間)
※あくまで訓練です。重い話にならないようにお願いします。
③聞き手は(2)のポイントをもとに、傾聴してみる。
※全部使うのは難しい方は、傾聴のポイント①~⑤までを心がけてみる。
④どう感じたか、お互いに感想を分かち合ってください。(2分間)
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